セルフマネジメントとは?自分の可能性を最大限にするトレーニング
ー目次ー
① セルフマネジメントとは?
② セルフマネジメントの重要性
③ 経営学のドラッカーも注目していたセルフマネジメント
④ セルフマネジメントを高める方法
⑤ セルフマネジメントのオススメの本
「目標達成がなかなかできない」
「自分の力を存分に発揮できていない」
自分らしく目標を達成していくには何が必要なのかは、多くの人が抱える悩みではないでしょうか。
今回の記事では自分の可能性を最大限に発揮するために活用できるセルフマネジメントについて紹介します。
セルフマネジメントの意味
セルフマネジメント(self management)とは自己管理や自律などと訳される英単語からきています。ではセルフマネジメントの目的は何なのでしょうか。
自分のことを管理する目的は、常に自分の力を最大限に発揮するためです。
セルフマネジメントでは、体調などの肉体的な管理や感情との向き合い方などの精神的な管理も含まれます。
健康的な肉体を維持すること、安定した精神を保つことで、あらゆる場面でも自分の最大限の力を発揮することができ、目標の達成やさらなる成長が可能となります。
セルフマネジメントの重要性
先行きがわからず、不明瞭なVUCA時代では、組織や個人として今まで通りのことを行っていくだけでは求めている成果を得ることが難しいと言われています。
新しいことにも果敢に挑戦し続け、組織として、また組織を担っている一人一人が個人として成長し続けることが求められます。
また、VUCA時代ではどのような形でいつチャンスが訪れるかも読みづらくなっているのかもしれません。
チャンスを掴むためには、自分が常に最大限の力を発揮できる状態を維持することが必要です。最高のパフォーマンスを出せる状態を作り、自分の可能性を最大限に伸ばすことがセルフマネジメントの目的です。
VUCA時代で必要とされるスキルについてもっと知りたい方は下記のブログをご覧ください。
経営学のドラッカーも注目していたセルフマネジメント
世界中の経営者に影響を与えた経営学者のピーター・ドラッカーは組織の経営に関して多く言及していますが、彼が特に注力をしていたのがセルフマネジメントすることです。
ドラッカー氏は論文の中で下記のように述べています。
“Success in the knowledge economy comes to those who know themselves – their strengths, their values, and how they best perform.”
「知識経済での成功は、自分の強み、価値観、そしてどのようにして最高のパフォーマンスを発揮するか、自分自身を知ることができる人にもたらされる」
Peter F. Drucker “Managing Oneself”
※ 定義の引用:Peter F. Drucker “Managing Oneself”
セルフマネジメントや自己管理と聞いて、毎朝特定の時間に起きること、毎日運動をすることなどを想像される方もいると思います。
これらは個人の目的と一致している場合は、アクションとしてはとても大切ではありますが、それ以前にセルフマネジメントの大きな目的が重要です。
では、「自分が常に最大限の力を発揮できる状態を維持する」という目的に向かってセルフマネジメント力をどのように高められるのかを紹介していきます。
セルフマネジメントを高める方法
セルフマネジメントを高める方法①:自分のことを知る
セルフマネジメントで一番大切なのは自分のことをより深く理解することです。自分の強みはどこにあるのか、自分が持っている価値観や信念はどのようなものがあるのか。
ドラッカー氏がセルフマネジメントに関して言及している論文 Managing Oneself でも最初に紹介されているのが自らの強みや特徴を理解するという点です。論文では、自分の強みを土台にパフォーマンスを高めることを推奨していると同時に、強みがあるからこそ生じている弊害などもしっかりと認識することの大切さが記載されています。
また、その強みや特徴を理解するためにはフィードバックが重要だと記載しており、ドラッカー氏は自己内省を中心としたフィードバックについて言及しています。
自分の特徴やパターンに関して仮説を立てて、それをもとに行動し、検証していくこと。その中で生じた出来事を振り返ることで得られるフィードバックから自分のことをより深く理解できると記載していますが、この作業は数年かけて行うものだと示しています。
また、自己認識の力に関して研究結果などを含めて紹介している『インサイト』という本では、自己認識を身につけ高め続けている人たちがどのような場面で自分に関するインサイト(新たな発見や気づき)を得ているのかを紹介しています。
彼らがインサイトを得ている場面は、大きく分けて3つになっています。
1、新しい役割・ルール
仕事や人生での新しい役割やルールが求められる場面。今までの居心地の良い状態から新たなスキルが求められたりするため、自分を改めて見つめる機会となる。例えば転職や昇進、新しいグループや組織の変更などがこれらにあたります。
2、激震
非日常的な大きな変化をもたらす出来事に直面した際には、自分の考えや価値観が揺さぶられ、改めて自分自身と向き合う機会になる。仕事をクビになる、離婚や災害などの大きな出来事がこれらにあたります。
3、日々の出来事
日常的な会話やちょっとした出来事の中で、改めて自分の考え方をより深めたりする機会。これは家族や同僚との会話であったり、企業内で受けたリーダーシッププログラムやより日常的な場面がこれらにあたります。
自己認識力を高め続けている人たちは特に3の「日々の出来事」から大きなインサイトを得ていると報告していました。
ちょっとした会話の中で揺れ動いた自分の感情に対して
「なぜ自分の中でこのような感情が生まれたのか?」
「なぜこのような行動パターンになってしまっているのか?」
など日常的な状況から学ぶことで持続的な変化を起こしています。
また近年ではマインドフルネスも自己認識力を高める上ではとても効果的な方法だと言われています。マインドフルネスに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
セルフマネジメントを高める方法②:目的を明確にする
自分のことをより深く理解した上で、必要なのは目的を明確にすることです。
自分の力を最大限に発揮できる状態を維持するのがセルフマネジメントですが、自分が行っている行動の目的を明確化するのが重要です。
多くの場合、私たちは習慣化された行動を行い続けてしまいます。自分の生活の中や仕事上の業務の中でも、「今までやってきたからやり続けている」作業が存在するのではないでしょうか。
朝起きたらとりあえずテレビをつけてニュースを流している、今までアップデートし続けてきたデータなのでアップデートを続けている。
上記の場合は当初は「いち早く情報を持って出かけるため」、「最新のデータを元に新たな施策を生み出し続けるため」などと明確な目的があったのかもしれません。
しかし、いつの間にか目的が忘れられ、その行動や作業を続けること自体が目的になっていませんか。
自分の特徴や強みや価値観を理解した上で、改めて自分の目的を明確化することで自分がとるべき行動が見えてきます。それらを更新し続けながら行動を継続させるのがセルフマネジメントです。
セルフマネジメントを高める方法③:時間の使い方を意識し、行動する
目的を明確にした上で、必要なのは行動です。
自らのことを深く知り、目的を明確化しただけでは常に自分が最大限の力を発揮できる状況を維持することはできません。
自らを深く知り、目的を明確化した上で、行動をし続けることでセルフマネジメントは成り立ちます。行動したことで得られた情報や気づきをさらにフィードバックとして活用し、自分の価値観や目的を修正しながら行動する。
この繰り返しを続けることで自らの力を最大限に発揮する状況を維持できます。
それができることでいつ新しいチャンスが訪れてくるかも先読みしづらいVUCAな時代でもチャンスをより自分の成果へとつなげることができます。
行動し続ける中での効果的な振り返りの方法に関しては下記の記事をご覧ください。
セルフマネジメントのオススメの本
セルフマネジメントは単に、早起きをして健康的な生活をしましょうという自己管理を指しているのではありません。
自分を知り、自分の価値観や目指しているものや目的を明確化し、それらに対して行動し続けること。それによって自分の力を最大限に発揮できる状態を維持することがセルフマネジメントです。
大きなテーマであるため、いくつか参考になる本をご紹介します。
インサイト
自己認識の理解とそれの高め方をまとめている本です。どのようにして自己認識を高めることができるのか、具体的なツールや内省に関する間違った考え方なども紹介しています。個人に限らずチームへの応用にも活用でき、セルフマネジメントの中でも重要な自分のことを深く知るために大いに活用できます。
ドラッカーの論文
Managing Oneselfとドラッカー氏がセルフマネジメントに関してまとめた論文です。日本語訳がハーバードビジネスレビューやオーディオブックとしても入手することができます。オーディオブックでは45分、英語の本文でも60ページと短い本ですがドラッカー氏が大切にしてきたエッセンスが盛り込まれた本となっています。
習慣の力:The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business
習慣について今回の記事でも少し言及しましたが、習慣のメカニズムを紹介しています。個人の習慣、組織の習慣、社会の習慣がまとめられており、セルフマネジメントにおいては特に個人の習慣をどのようにして変えていけるのかが役立ちます。
成長し続けることが求められる時代だからこそ、それらを自分らしく楽しみながら行えるセルフマネジメントを、ぜひ皆さんも実行してみてください。