
親子で創ろう!子どもと一緒に家で学べるアクティビティ:Egg Drop Challenge
休校の中、お子さんと一緒にできるアクティビティを探していませんか?
今回の記事では、ただ単に遊んで時間を過ごすのではなく、楽しみながらも一緒に学べるアクティビティを紹介します。
今回紹介するのはEgg Drop Challengeというアクティビティです。
欧米の小・中学校・高校で行われることが多く、Katsuiku Academyでも生徒向けに行ってきたアクティビティの一つです。Katsuiku Academyで行っているアクティビティを家でも再現できるように修正してお届けします。
アクティビティの目的:卵が割れない装置を作る!
身につけられる力:
- 課題に対して創造的に考える力
- アイデアを形に変える力
- フィードバックする力・受け取る力
参加人数:1人-何名でも
必要なもの:
- 殻に入ったままの生卵(*心配な方はゆで卵でも可能)
- 段ボール:中くらい x チームまたは人数分(個人がそれぞれ行う場合)
- ストロー x 10本 x チームまたは人数分
- ガムテープ 1つ x チームまたは人数分
- ハサミ 1つ x チームまたは人数分
- プラスチック袋 1枚 x チームまたは人数分
- 装置を試す安全な高い場所
所要時間:
- 約1.5時間 (工夫を加えることで長くすることも可能です)

前提:(こちらの設定はお子さんの年齢や興味によって変更してみてください)
皆さんはNASAの研究員です。宇宙を探索する探知機を守る装置を作っています。
火星に新たな探知機(卵)を送るためには、安全な装置が必要です。
皆さんは実際にNASAが火星に探知機を送った際にも驚きの方法をとって着地していることをご存知ですか?
こちらの動画をご覧いただければNASAがどのようにして火星探知機のSpiritを送ったのかがみられます。
着地に関しては2分15秒〜をご覧ください。パラシュートで速度を落とした後、全身がエアバッグに包まれ、転がりながら衝撃を吸収していきます。最終的に衝撃を吸収し、動き終わった安全装置から探知機が解放されて、探知機が活動を始めていきます。
今回のアクティビティでは、皆さんに着地の衝撃にも耐える装置を作成してもらいます。
手順:
1. プロジェクト・アクティビティの紹介(5分)
- お子さんへ前提のお話をしていただき、前提の中で紹介されている動画を一緒に見ていただきます。動画は2分15秒から5分30秒ぐらいまででも十分です。
- 探知機として見立てた卵を高いところから落としても、中身の探知機(卵)が壊れないための装置を作成することを伝えます。
2. 使用できる資材を紹介する(2分):
- ストロー 10本
- ガムテープ 1本
- ハサミ 1つ
- プラスチック袋1枚
- 段ボール 1つ
*チーム分けは皆さんにお任せします。お子さんと対抗する形で親子がそれぞれ作っても面白いですし、一緒に共同で作るのも面白いと思います。
3. アイデアを考えてみよう(10分)
- どのようなアイデアが存在するのかいくつかの写真を一緒に見る
- 下記の写真は今までのプログラムで参加者が作っていた装置の一部です。気になる方は「Egg Drop Challenge」とインターネットで画像検索をしていただければたくさんのアイデアが出ていると思います。
- 5分ほど時間をかけて、自分が作りたいと思ったアイデアを3つ、絵で描く
- 紙に3つの枠を用意してそれぞれの枠内に1つずつアイデアを描いていく


4. アイデアを形にする(35分)
- 絵に描いたアイデア3つのうちもっとも形にしたいものを選ぶ(5分)
- 一つを選ぶのもいいし、3つのアイデアを合わせる形でも問題ないです
- 与えられた資材を活用してアイデアを形にしていく。手順2で紹介した資材をお子さんに渡して時間内に形にしていく。(30分)
注:アイデアを形にする間、お子さんに卵を渡してもいいですが、作業中に割ってしまうこともあるためご注意ください。卵は装置のサイズ感を見るときにだけ渡すことにしてもいいかもしれません。
注:最後に卵を入れられるように装置に工夫をするよう伝えること、または卵を渡した上で装置の中に入れてお子さんが管理するよう伝えてください。
注:生卵では不安な方は事前にゆで卵にすれば割れてしまっても卵を無駄にすることはありませんので推奨します。
注:段ボールなどをハサミで切る際にはお子さんが怪我をしないように細心の注意を払ってください。
注:時間制限を設けることで作業が早く進みますが、お子さんの様子を見て30分すぎてもまだ終わっていない場合は追加時間を与えましょう。
注:時間をかけて装置を作りたい場合はマーカーペン等を使って色をつけたりデコレーションなどを加えるとより自分の作品に思い入れが入り面白くなっていきます。
5. 形になったプロトタイプを試す(10分)
- 一度出来上がった装置に卵を入れてください。(すでに装置の中に卵が入っている場合はそのままで)
- 装置を落とせる高い場所へと移動してください。
- 理想としては5メートル以上の高さから落とせると盛り上がりますが、安全を第一に落とせる場所や高さを選んでください。
- 一軒家などの場合は二階の窓やベランダから庭に落とす
- 周りにも迷惑がかからない安全な公園などがあれば、公園の滑り台の上から落とすなど(公の場所で行う場合は卵はゆで卵をお使いください)
- 外で行うのが難しい場合は大人が室内で椅子の上に立って高く持ち上げてから落とすのでも十分です
- 装置を安全な場所から手放す
- 装置を回収する

6. 装置の中にいる卵の安全確認(5分)
- 一番盛り上がる場面の一つです。自分たちが作った装置が無事に卵を守れたかをワクワクドキドキしながら確認してみてください。

7. フィードバック(10分)
- 装置に対して下記の3点をノートに書き込んで振り返ってみてください(5分)
- 何がうまくいったのか
- 何がうまくいかなかったのか
- 次回行うとすればどのような改善点が加えられるのか
- 複数のチームがいる場合は自分のチームのフィードバックに加えて、相手のチームに対しても上記の点をノートに書き込んでください
- 複数チームがいる場合はお互いのチームに対してのフィードバックをプレゼントとして渡す。(プレゼントのように相手が喜ぶ形で渡すことを意識することを推奨します。「このようなアイディアが素晴らしかった」「この飾り付けが宇宙ぽくてカッコ良い」など、ポジティブなフィードバックとともに改善点をプレゼントし合いましょう)
注:時間、資材、エネルギーが残っていれば、1回目の改善点を活かし新たな装置の作成に取り組むことも可能です。
8. 振り返り(15分)
- 作業が全て終わった後には、アクティビティ全体に対して振り返ってみてください。学びを内在化するには振り返りの時間がとても重要になってきます。
注:振り返りに関してはこちらの記事をご覧ください。

- お子さんの年齢や状況によって適している質問を選んで振り返ってみてください。振り返りも上記のフィードバックと同様にノートに書き込むことをお勧めします。
振り返りに使える質問:
- 今回のアクティビティで一番大変だったのは?どのような工夫をしてそれを乗り越えたのか?
- 今回のアクティビティでうまくいったと感じている点は?どのような工夫をしてそれを実現できたのか?
- 今回のアクティビティをもう一度最初から行うとしたらどこを改善すれば今回よりもうまくいったのか?
- 今回のアクティビティで学んだことは?
- 自分の生活の中で今回の学びをどのように活かせるのか?
- 今回ご紹介したアクティビティは頭も使いながら手を動かし工作をするため、子どもに限らず大人も熱中してしまうアクティビティです。学びを深めるためには、ぜひフィードバックや最後の振り返りに焦点を当ててみてください。
Katsuiku Academyのプログラムでは上記で説明した各ステップにおいてより深い学びを促進するため細かなアクティビティやポイントの紹介をしています。