一流になる方法:スポーツ、音楽、絵などどの分野でも世界で通用する効果的な練習の4つのポイント

「ゴルフがもっと上手くなりたい!スコアで100を切りたい」

「ピアノや楽器がもっと上手に弾けるようになりたい」

「絵をもっと上手に描けるようになりたい」

「英語をもっと上手に話せるようになりたい」

上記のスポーツ、音楽、絵、言語に限らず仕事や学校でも、誰しもが自分のスキルをさらに磨きたいと思っているのではないでしょうか?

今回のブログではどの分野でも上達するための効果的な練習の方法についてまとめています。世界でトップアスリートや音楽家などの練習方法を見てきた研究等を紐解きながら上手くなる人が行なっている効果的な練習を紹介します。

反復練習だけでは足りない:「1万時間」練習すれば、プロレベルになるわけではない

練習で一流になるには時間を多くかけることが大事であると考える方は多いのではないでしょうか。

1万時間の練習を重ねれば、その分野で活躍するトップの一員になれるという話を聞いたことがある方もいると思います。これはマルコム・グラッドウェル氏(Malcolm Gladwell)が「天才!成功する人々の法則」で紹介したことによって、世の中に広まった法則です。

しかし、グラッドウェル氏がこの法則を発表した元となる研究を行ったアンダース・エリクソン氏(Anders Ericsson)は単に1万時間かけるだけでは一流にはなれないと言及しています。

例えば、あなたがこれから毎日3時間ランニングをした場合、10年後にはオリンピック選手と競えるレベルのマラソンランナーに確実になっていると思いますか。

コーチもつけずに自分のタイムも厳密に図らず、音楽を聞きながら走っているだけであれば1万時間かけてもオリンピックレベルに達しないのは想像に固くないと思います。

30年以上に渡って、世界で活躍しているトップアスリート、音楽家、ビジネスマンなどを見てきたエリクソン氏はトップの方々がどのようにして超一流への道を切り拓いてきたのかを研究してきました。その中でエリクソン氏が注目したのはトップの方々の練習の方法です。

エリクソン氏は単に時間をかけるのではなく、質の高い効果的な練習、意図的な練習(Deliberate Practice)を重ねることが重要だと公表しています。そして、この方法はトップを目指している人に限らず、我々が日々直面している仕事や学業などの学習する機会のすべてに応用できます。

橋の上を走る人, 意図的な練習, 一万時間の法則

上手くなる人が実践している効果的な練習方法:「意図的な練習」の4つのポイントとは?

それでは世界のトップの人々が行なっている効果的な練習方法の「意図的な練習」とは具体的にどのような練習なのか。意図的な練習には大きく分けて4つの要素が関わっています。

  1. やっと手が届くぐらいの明確な目標
  2. 高い集中力と努力
  3. タイムリー且つ的確なフィードバック
  4. 調整を重ねて何度も繰り返す

1. やっと手が届くぐらいの明確な目標:

効果的に練習を行うにおいては、明確な目標が必要です。

大きな目標も大事ですが、『意図的な練習』の中では、現状からやっと手が届くぐらいのストレッチゴールが効果的です。

現在は出来ないが、手を伸ばせば届く目標を明確に設定することによって、その目標を達成するために具体的にどのような行動が必要か、またその目標に対して自分の練習の成果が見えてきます。

例えば、バスケットボールの選手として「シュートが上手くなる」というのは素敵な目標ですが、目標が広すぎて具体的な行動、またはその成果の測定方法が見えてきません。より具体性を加え「フリースローシュートを85%以上入れること」と設定することで、行うべき練習内容やその成果を図る方法が見えてきます。

例えば、85%以上を決めることを目指すにはまず現在自分がどれくらいのシュートを決めているのかを改めて測って見たり、自分がフリースローを打っている姿の動画を撮ってフォームを修正するなど具体的なアクションに落とし込めます。

効果的な練習を行う上で、まずは現在の自分の状況を把握し、努力を重ねれば届きそうな明確なストレッチゴールを設定しましょう。

2. 高い集中力と努力:

勉強、音楽、絵画、スポーツ等に限らず学業や仕事などのあらゆる分野においても練習には高い集中力と努力をもって挑むことが重要です。エリクソン氏は高い集中力を保って取り組みには練習を1時間におさめる、または1時間毎に休憩を挟むことを推奨しています。

現代社会ではSNSやゲームなどたくさんの誘惑が多い中では、高い集中力を保つことがとても難しい状況になっています。

集中力に関する研究も世界中で行われており、カリフォルニア大学アーバイン校のグロリア・マーク氏が行なった研究では、知的活動に集中している際に、その集中力を一度遮ることを行なってしまうと、再び集中した状態に戻るまでに23分かかると指摘しています。

集中力を高く保つためには予め自分の集中力を遮ってしまうものを防ぐことを試して見てください。

スマホの電源を切る、一人で集中できる環境へと移動する、など、意図的な練習を実践するには練習の対象となること以外には影響されない環境づくりが重要です。

また何時間も長々と続けてしまうのではなく、1時間ごとに区切るなどしてその1時間で最大の力を出し切ることを意識して見てください。

3. タイムリー且つ的確なフィードバック:

やみくもに練習を重ねるだけでは、継続的に上達することは難しくなります。
新しいことを始めた際にはある程度の練習を重ねることで上達を実現することができます。ただ、続けていく中で誰しもが自分が気づいていない癖や非効率になってしまっている部分が出てきます。問題はこの癖や非効率になっている部分を自ら気づくのは非常に難しいという点です。

自らの行動を振り返ることも可能ですが、自分より上のレベルの人からフィードバックを求めることで次のレベルに向かうために必要なポイントが明確になります。

練習直後またはその最中にタイムリーなフィードバックを貰うことで、自分がその時点において何が足りていないのか、また具体的にどの点において改善が必要なのかを理解することが可能です。

コーチを雇ったり、一緒に練習してくれるパートナーと練習することで、明確なフィードバックをもらえる状況を作った上で練習を重ねることが上達するための近道となります。

4. 調整を重ねて何度も繰り返す:

そして最後は上記の3点をしっかりと行いながら練習を継続することです。

練習の成果を図りながら、目標を調整したり、フィードバックを反映するために練習方法に調整を重ねて、何度もその練習を繰り返す。上記の3点をしっかりと組み込みながら、練習を重ねることが重要になってきます。

単に時間を費やすのではなく、はっきりとした意図をもって練習に取り組むことが効果的な練習に繋がります。

効果的な練習に加えて必要な成長型マインドセット:

自分が上達したいと思っている分野において上記の4点を取り入れた効果的な練習:「意図的な練習」を繰り返し行うことで求めている成長がより実現できるようになります。

自分の成長を促す「意図的な練習」に加えてさらに成長を可能とするのが自分のスキルや知識は伸ばすことができると信じるマインドセットを持つことです。意図的な練習で成長を実現するための土台となる物事の考え方・マインドセットとしては、近年注目されているグロース・マインドセットがあります。

グロース・マインドセットとはスタンフォード大学のキャロル・ドゥエック氏が提唱している考え方で「能力は努力や方法によって変えられる」と考え方です。(この考え方をもっと詳しく知りたい方はこちらのブログをご覧ください)

一流になる方法:スポーツ、音楽、絵などどの分野でも世界で通用する効果的な練習の4つのポイント
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グロース・マインドセットを持つことによってより積極的に物事に挑戦し、自らの成長を実現することが可能となります。

今回ご紹介した「意図的な練習」の4つのポイントとぜひ組み合わせて取り組んで見てください。