
モチベーションを上げて維持する方法:子どものモチベーションを保護者がサポートする
「モチベーションを長期的に維持できない・保てない」
「うまくモチベーションを上げられない」
「やる気さえ出してくれれば色々とできるのに」
どうすればモチベーションを上げることができるのか?一度あげたモチベーションをどのように維持することができるのか?保護者として子どものモチベーションをどのようにサポートすることができるのか?
今回の記事ではモチベーションに関して紹介していきます。
モチベーションとは?:
「やる気」またはモチベーションとは心理学では「動機付け」と呼ばれることが多く、世界中でたくさんの研究が行われています。
「動機付け」には大きく分けて内発的動機と外発的動機の二つの分類が存在します。
内発的動機とは?
内発的動機とは『興味を持っているから行う』、『楽しい・好きだから取り組む』など自発的に取り組むことを指します。動機が自分の中から発生している状態です。この状態を作るのは外発的動機より大変だと言われますが、外発的動機よりも維持されやすい傾向があります。
外発的動機とは?
外発的動機とは外的報酬、例えば『あとでご褒美をもらえるからやっている』や他の人から頼まれた・要求されたから行うこと(『先生に言われたからやっている』など)を指しています。動機が自分以外の要因によって発生している状態です。この状態を作るのは内発的動機よりは簡単だと言われますが、内発的どうよりも維持するのが難しくなります。
モチベーションを維持する評価方法:
内発的動機や外発的動機に関して包括的にまとめた理論に関しては別途紹介したいと思います。
今回の記事ではモチベーションを影響する評価方法に焦点を当てたいと思います。
どのような評価がモチベーションをあげ、長期的な維持を可能とするのか。
評価の方法を大きく分けると①他者との比較と②自分の成長(過去の自分との比較)に分けられます。
ではどちらの方がモチベーションを維持することに効果的なのか?
米国マサチューセッツ大学の名誉教授であるルース・バトラー教授が中学生を対象に行った研究に大きなヒントがあります。バトラー教授が行った研究では中学生を2つのグループに分けてテストを行いました。
グループAには
他の生徒と比べて評価を行うと伝えた
グループBには
あなたの成績の成長を基準に評価を行うと伝えた
結果として、テストを繰り返す中でグループBの生徒の方が大きく成績を伸ばし、テストが楽しかったという声も多く出てきました。
バトラー教授の研究から人は周りとの評価よりも自分の成長が評価される方が長期的に努力を重ねやすいことが見受けられます。

モチベーションの維持には不向き:他者との評価は頭打ちしやすい
「クラスの中で一番の成績をとりたい」
「先生に評価されたい」
「親に喜んでもらいたい」
または会社では
「社内の売上実績で一番を取りたい」
「上司にもっと認められたい」
「お客様に喜んでもらいたい」
周りからの評価を求めて行動することでモチベーションを上げることももちろん可能です。ただ、他者の評価は最終的には自分ではコントロールできません。
また、一度上限に達成してしまうとそれより上に行くことが難しくなってしまい、更なる成長を実感しづらくなってしまいます。
例えば、クラスで成績がトップになった場合、それより上の評価を他者からは得られなくなってしまいます。短期的なモチベーションとしてはとても有効的ですが、長期で見ると維持することが難しくなってしまいます。
モチベーションの維持:自分の成長を基準にすると成長の限界がなくなる
他者の評価ではなく、自分の成長を評価軸にするとより長期的にモチベーションを保つことが可能です。
自分の成長に焦点を当てるといくらでも探せば工夫が可能となります。
例えば、クラスで成績がトップになるのではなく自分の問題解決力を高めることを評価にした場合何が変わるのか。
他者との比較ではテストの成績が重要視されますが、自分の成長を軸にすると同じ問題を解いていても、どのように自分が答えにたどり着いたのか、どうしたらもっと解決時間を短縮できるのか、もっと効率的な解決方法がないのか等、点数に止まらず更なる高みを探し続けることができます。
自分ではコントロールできない他者との評価と異なり、自分の成長をどのように測るかを何通りも工夫ができます。そのため、頭打ちするのが難しくなり、より長くモチベーションを維持することが可能です。

保護者ができる子どものモチベーション維持のサポート:目標設定
では、今回の研究内容などをどのようにすれば子どものモチベーション維持に繋げられるのか。
子どものモチベーションを維持させるには目標設定やその測り方を一緒に作ることが効果的な一つの方法です。
目標設定を行う際に、他者との評価を組み入れるのも効果的ですが、お子さんが自らの成長をより実感できるように過去の自分との評価を軸に目標設定を行なってみてください。
その際にはお子さんから目指したい目標を引き出しながら一緒に作ることが重要です。本人が自ら設定した目標と感じることがモチベーション維持においてもとても重要となってきます。
また、定期的に目標設定を修正したり、見直すことで常に新たな成長を求め続ける姿勢を身につけることが可能となります。効果的な振り返りの方法に関しては下記の記事をご覧ください。

ぜひ今回の記事の内容をご自身の目標設定でも活用していただき、お子さんとの目標設定にも活かしてみてください。