ファシリテーションスキル研修 ー急速に変化する社会で、イキイキと学べる場の作り方ー

参加者詳細

今回は経済産業省のご支援により参加者の交通費支給などが実現でき、全国からご参加いただくことができました。
8割以上の方が現役の教員の方(小学校、中学校、高校の教員の方で私立、公立問わず参加いただきました。)で、他は教育関係者、ワークショップ実施者等の方(日本語教師、英語教室運営者、中高生向け海外短期留学企画引率者など)でした。

北海道 東北 関東 中部 関西 四国 九州 総計
2 2 26 4 12 1 1 48

スケジュール

第1回


目標設定、ワークショップの流れのデザイン法

  • 自己紹介、アイスブレイク
  • マインドセットについて
  • 生徒ビジョンを考える
  • ワークショップの⽬標設定の仕⽅ 
  • フィードバックと振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施
第2回


デザイン思考、ストーリーの作り方

  • 前回の振り返り
  • ファシリテーターのマインドセットについて
  • デザイン思考について
  • ワークショップの実施 (デザイン思考の流れを一通り体験)
  • ワークショップのストーリー作り
  • フィードバックと振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施
第3回


参加しやすい環境の作り方

  • フィードバックの在り方
  • 心理的安全性とオーナーシップの関係
  • ファシリテーターとして心理的安全性をどのように作り出すか
  • コンフリクトについて
  • デザインしたワークショップ一部実践とフィードバック
  • ファシリテーターとしての振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施
第4回


モチベーションを上げるためのファシリテーション 

  • SELの基礎、トラウマへの対応方法
  • ファシリテーションにおけるエンパシーとコンパッション
  • エンゲージメントと内発的動機の理論と向上方法
  • デザインしたワークショップ一部実践とフィードバック
  • ファシリテーターとしての振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施
第5回


ファシリテーターとしてのマインドセット

  • 声・体の使い方、グループワークの回し方、空間デザイン
  • グロースマインドセットの基礎と育成方法
  • ファシリテーションにおけるマインドフルネス
  • モデリングの理論とファシリテーターとして自己評価軸作成
  • 振り返り、プログラム卒業の案内
  • 修了証・参加証の授与
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

【第1回】目標設定、ワークショップの流れのデザイン法

  • 自己紹介、アイスブレイク
  • マインドセットについて
  • 生徒ビジョンを考える
  • ワークショップの⽬標設定の仕⽅ 
  • フィードバックと振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

第1回目では初めに自己紹介、そして緊張をほぐすためにアイスブレイクを行いました。最初は緊張感のある雰囲気でしたが、アイスブレイクを重ねていくうちに緊張が緩和され、話しやすい雰囲気になっていきました。

 その後は人がどのようにして新しいスキルを身につけるのかを学んでいきました。脳は毎日繰り返したことを強化することを学び、参加者は「PRACTICE」を一つのキーワードとして実際に今まで行ったことがないスキルを身につけるアクティビティに挑戦しました。テニスボールを活用したアクティビティでは理論を頭で理解するだけではなくそれぞれが学びを体感していきました。

 午後には、ワークショップ形式で生徒ビジョンを考える時間を持ちました。まずは自分自身がどんな人になりたいのか、自分事化した上で、生徒達にどんな大人になってほしいのかということを具体的に考えていくことを体験しました。また、このワークショップを通して互いにフィードバックし合うことの重要性も学びました。

感想

「PBLやファシリテーターのいる授業は、今まで理論で知っていたり、チャレンジしている現場を見たりしてきましたが、今回の研修はそれを実践レベルにまで落とし込んであると感じました。」

「自分がいかに旧態依然した意識から抜け切れていないかに気付きました。」

「自分は他者のフィードバックを恐れて、積極的にフィードバックを受け入れいることができていないことが大きな問題だと改めて気づくことができました。」

「プラクティスについての新しいマインドセットを得ることができました。」

ファシリテーションスキル研修 研修風景2

ファシリテーションスキル研修 研修風景3

【第2回】デザイン思考、ストーリーの作り方

  • 前回の振り返り
  • ファシリテーターのマインドセットについて
  • デザイン思考について
  • ワークショップの実施 (デザイン思考の流れを一通り体験)
  • ワークショップのストーリー作り
  • フィードバックと振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

第二回目では、最初にファシリテーターのマインドセットについて学びました。いつまでも初心の気持ちを持つ「Beginner’s Mindset」でいること、何度も挑戦して、小さな実験を積み重ねていくこと、オーナーシップを持ち、常にファシリテーターであるという意識をもつという3つの大切なことを学びました。

 その後は、デザイン思考の理論について学びを深めました。デザイン思考とは、人間を中心に課題を深く理解していくこと、プロトタイプを繰り返し、フィードバックを積み重ねて改善していくことで、参加者は実際にワークショップを実施し、デザイン思考の流れを一通り体感しました。デザイン思考に関する研修は最近増えてきておりますが、デザイン思考への誤解も多く、活用の仕方によっては意味や効果を無くすこと、それを踏まえてどういうポイントを意識することが大切かなども体験しながら学びました。互いのグループ活動を見て回り、いいアイディアを取り入れてどんどん内容をいいものにしていきました。研修の終わりに各グループの発表を行い、互いにフィードバックをし合うなどして切磋琢磨している様子が見受けられました。フィードバックをする際、フィードバックは相手へのギフトであるというマインドを持ち、皆真剣に建設的でポジティブな意見が出せるようにしていました。

感想

「デザイン思考について自分の中で納得しながら学ぶことができました。また、ヒーローズジャーニーという授業作りの流れは初めて知り、とても面白かったし納得しました。」

「デザイン思考は、PBLなどの授業を考え出す際に効果的であるが、型になってしまう危険性があるので気を付けたいと思います。」

「かけた時間や想いが長かったり、強かったりすると最初の案を捨てることができず、固執してしまいがち。それを何度もフィードバックをうけてびりびり破いて0から何度でもスタートさせる勇気を持つことの大切さに気付きました。」 「ファシリテーターマインドを持って全体を見ることなどが特に大きな学びでした。」

ファシリテーションスキル研修 研修風景4

ファシリテーションスキル研修 研修風景5

第3回】参加しやすい環境の作り方

  • フィードバックの在り方
  • 心理的安全性とオーナーシップの関係
  • ファシリテーターとして心理的安全性をどのように作り出すか
  • コンフリクトについて
  • デザインしたワークショップ一部実践とフィードバック
  • ファシリテーターとしての振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

第3回目では、前回に引き続いてフィードバックの在り方を学びました。その後、心理的安全性の重要性を学びました。心理的安全な空間では、弱さを見せあえる、互いへの理解を深め、自分らしさを出すことができます。そのため、心理的安全な空間が生まれ、安全に意見が出し合えると、コンフリクトも起きることがあります。コンフリクトは、みんなが安全だと感じる場だからこそ生まれる建設的なものです。参加者達の中で、コンフリクトが起きたときにどう対応したらよいのかを身をもって体感しました。教育者という立場を超えて、自分自身が同じ立場に立った時どうするのか、心理的安全性を生み出すのは自分自身のオーナーシップの在り方が最も大切だと多くの方が気付いた回でした。

感想

「振り返りをしていくことの大切さや、受け手側の時であっても質問事項や疑問を感じながら聴いて自分の中で深めていくことの大切さを学びました。」

「心理的安全性は「快適さ」ではないこと、そして心理的安全性があればConflict(衝突)は起きること、適度なConflictは集団としての学びや成長に必要だということが理解できました。」

「心理的安全性は、個人個人のオーナーシップ、アクションによって生まれるものだと学びました。」

「ファシリテーターとして、自分を振り返った時、たくさんの課題に気づきました。もっと視野を広げて全体の雰囲気の流れや空気感を感じられるようにしたいです。」

第4回】モチベーションを上げるためのファシリテーション

  • SELの基礎、トラウマへの対応方法
  • ファシリテーションにおけるエンパシーとコンパッション
  • エンゲージメントと内発的動機の理論と向上方法
  • デザインしたワークショップ一部実践とフィードバック
  • ファシリテーターとしての振り返り
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

第4回目は、動機付け(外発的・内発的)について、とくに内発的動機付けの大切さを学びました。内発的動機となる大切な4つの要素(自律性、関係性、有能性、関連性)をどう育んでいくか、生徒のトラウマにはどう対応するか、安心安全な場を作り、ジャッジすることなく傾聴するにはどうしたらいいのか。様々な問いが投げかけられ、各参加者は自分の内側に目を向けることになりました。

後半は日本SEL推進協会の下向依梨さんと共同開発したSEL(Social Emotional Learning)の講義を行いました。ファシリテーションにおいて、相手のことを深く理解する”Empathy”はとても大切になります。各参加者の感情を丁寧に観察していくこと、そして気持ちに寄り添うことがファシリテーターに必要な要素だということを強く感じた回となりました。

感想

「SELや心理的安全性を学ぶことで配慮した授業デザインができることに大きな希望を感じました。」

「参加者の表情や言動から推測するのではなく、実際にその推測が正しいのかを相手と話して質問などをしながら確認して行く作業が必要だと気づきました。」

「エンパシーの部分で、自分はもっと子どもを観察することが必要であり、相手になりきって感じることに努めていかなければならないと感じました。」 「内発的動機付けの自律性、関係性、有能性、関連性について、どんなことが必要か出し合ったことが大きな学びになりました。」

ファシリテーションスキル研修 研修風景4日目1

ファシリテーションスキル研修 研修風景4日目2

【第5回】ファシリテーターとしてのマインドセット 

  • 声・体の使い方、グループワークの回し方、空間デザイン
  • グロースマインドセットの基礎と育成方法
  • ファシリテーションにおけるマインドフルネス
  • モデリングの理論とファシリテーターとして自己評価軸作成
  • 振り返り、プログラム卒業の案内
  • 修了証・参加証の授与
  • 終了後:振り返りアンケートの実施

第5回目は、ファシリテーターとしての基本的な声・体の動かし方や、グループワークの回し方、空間デザイン方法等について学びました。またマインドフルネスを実際に参加者全員で実施することで、自分の気持ちや感情を感じたり、落ち付ける方法を体得しました。自身の感情の揺れ動きに気付き、自分自身の価値観を大切にしていく上でも非常に大切になります。

 後半では、グロースマインドセットの基礎と育成方法、モデリングの理論とファシリテーターとして自己評価軸を実際に作成し、客観的な数値で表すことで、自身の価値観、大切にしていることなどを浮き彫りにしていきました。  最後には、5回全ての回に参加した方には修了証を、1回でも参加され方には参加証の授与が行われました。今回の研修を機に、全国の教育者の方達が繋がり、新しい何かを生み出していく可能性を十分に感じた回となりました。ご参加いただきましてありがとうございました。

感想

「言葉かけ一つだけでこんなにも子どもの成長の仕方や、受け取る側への影響の仕方が違うのかと気付かされました。」

「普段の自分の思考がwhyよりhowに傾いてしまうことがよくわかりました。自分の傾向を理解した上で、いつもと違うチャレンジをしていきたいです。」

「自分がいかに答えにたどり着くことにこだわっているかということに気が付きました。子供達と接する際は、教えるのではなく、子供達の声を聴いて、一緒に考えるという方法を大切にしていきたいです。」

「グロースマインドセットとフィックスマインドセットの違いがよく分かりました。人に対してだけでなく、自分への声かけも日頃から意識していこうと思いました。」

ファシリテーションスキル研修 研修授与式 5日目1

ファシリテーションスキル研修 研修授与式 5日目2

成果

1.出席率

全体を通してどの回も出席率は95%を超えていました。

出席率 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
出席者
(全48名)
48名 47名 47名 47名 46名
出席率 100% 98% 98% 98% 96%

2. 満足度

全体を通してどの回も満足度は、95%を超えていました。

満足度 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 全体
アンケート
回答者数
48名 42名 42名 46名 45名 45名
満足度 97.9%
(47名)
100%
(42名)
95.3%
(40名)
97.8%
(45名)
100%
(45名)
100%
(45名)

※満足度は、「非常に満足」又は「満足」と回答した割合です。アンケート時は、「非常に満足」、「満足」、「普通」、「不満」、「非常に不満」の5段階で回答してもらっています。
・全体の満足度は、100%となりました。

ファシリテーションスキル研修 参加者の満足度グラフ

3.参加者の声

全体を通してこのようなご感想をいただきました。

「この研修に参加していなかったら、自分は凝り固まったスタイルで教育を行なっていたと思います。」

「自分が担当している学校のプロジェクトが今年度は全然上手くいきませんでした。なぜ上手くいかなかったのか、どうしたら来年はよりよくなるのか、この研修を通してたくさんのヒントをいただきました。」

「子ども達にそうなって欲しいという姿に、自分自身がなる覚悟ができました。」

「まず自分がどういう人間でありたいか、どういう人生やキャリアを送りたいと強く思っていて、そこに向かってモデリングできているかを考えさせられました。」

「生徒に対しても同僚に対しても感謝の気持ちを持つことの大切さを学びました。」

「フィードバックを受けるだけでなく、相手の成長を願ってのフィードバックも重ね、自分だけでなく、学校全体がレベルアップできるようにしていきたいです。」

「ここで学んだことを授業だけに留まらず、教員間でも広げて実践していきたいです。」

ファシリテーションスキル研修 研修風景12

ファシリテーションスキル研修 研修風景13

今後の研修事業に関して

活育財団では今後も教育関係者向けの研修事業を実施していく予定です。今後の研修事業の詳細に関してはトレーニングページをご覧ください。